2008年10月16日

ポプラの秋

季節らしい小説をご紹介。
ポプラの秋.JPG
ポプラの秋 (新潮文庫)
もう何年も前から手元にありましたが、今年の夏やっと読んだ本です。
当時付いていた帯に強烈に惹かれ、絶対読まなきゃ。とずーっと部屋の奥の奥に積み重なっていました。その帯には「私はこの本が売りたくて本屋の店員になりました。感動、感動、また感動です!」・・こんなようなことが書いてあったと記憶してます。
感動、感動、また感動・・って私の場合ならなかったのですが、じんわりじんわりと胸の奥に人の温かさと、さわやかさが広がる奥深ーいお話でした。

自分にとってかけがえのない人、大切で仕方のない人を失った場合。つまりはその人が死んでしまった場合。残された人々、生きている人々は大きな喪失感と悲しみを抱き、それは時として薄れることもあるかもしれないけれど時としてまた噴出したりもして、一生寂しさや後悔やありがとうや会いたい気持ちや・・・どうしようもない感情と一緒にこれからを歩んで行くことになります。そんな気持ちはどうしたらいいのかしら。死んでしまった人への想い・・それを自分達はどう扱えばうまく生きてゆけるのかしら。それをやさしく説いてくれているお話。
見かけだけの優しさなんて誰もいらないのよ。素直に、心のままに生きて、まわりの人たちに愛をいっぱい出して。出しても出しても枯れないのが愛。出し惜しみしていたら愛は枯れちゃう。愛は出すほどに溢れるように湧き出すものね。
お話の中のおばあちゃんは面白いほどに不気味でとことんマイペースなおばあちゃんですが、表面に隠れたその溢れる愛をまわりの人々に注ぎ、知らぬ間に愛されていた人です。見返りを求めない。ただ与えるのが愛、ですね。ちっちゃなおばあちゃんの大きな人柄。大きな人柄や大きな愛は、表には見えないものです。
子どもや・・かつて子どもだった大人も皆、自分の知らないところで周りの大人たちに大切に大切されて育っているのだと言うことも、この本ではかわいらしく描かれています。

大きなポプラが黄色くなって葉を落とし、その落ち葉で焚き火して焼き芋して・・って情景が鮮やかに、そして秋の涼しさがだんだん冬の寒さになるその気温までも感じてしまうようなきれいな本。クスッと笑えてジワ〜と泣ける・・読書の秋にぴったりです。
posted by keke at 00:00| Comment(0) | 読み物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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